自動車絶望工場―ある季節工の手記
カードに関する書籍になります。
これを見て、損をしない方法を模索してください。
自動車絶望工場―ある季節工の手記
鎌田 慧

定価: ¥ 580
販売価格: ¥ 580
人気ランキング: 35335位
おすすめ度:
発売日: 1983-09
発売元: 講談社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送
経常利益一兆円会社の生産現場の厳しさ
これはある大手自動車メーカーへジャーナリストが季節工として勤務した体験を描いた本です。一日8時間労働で、昼休み以外は全く休憩時間がなく、トイレ休憩もないとは、驚かされた。それに引き替え、同じ自動車系ながら、喫煙したり喫茶できる部屋が各階に用意されている我が社はまるで天国だと思った。
この本が出版されたのは1972年(昭和47年)の話だが、自動車工場勤務が過酷なのは現在でも変わっておらず、自動車関係の仕事できつくないのは研究・開発の仕事だけかなと思う。
驚かされたのが、五百万時間安全運動を達成するため、労働災害はなかったことにしようという社風であった。働いて怪我した本人が労働基準監督署に訴えても、会社が同じ職場で働いていた同僚たちに圧力をかけて口裏を合わせ、会社ぐるみで労災を認めまいとする動きには身震いを覚えた。
私は静岡新聞を読んでいるが、時々、この本の自動車会社の季節工求人広告が載る。日本にはたくさんの自動車会社があるのに、なぜ、いつも同じ会社なのかと疑問に思っていたが、会社にとって季節工は使い捨ての労働力でしかなく、だからこそ、日本で初の経常利益一兆円を達成したのだと納得がいった。
色々と考えさせられる傑作ルポ
まず、単純に読み物として面白かったと言っておきたい。
作者の堅実かつ実直な文体は、意見や思想を越えて普遍性のある、実にルポタージュらしいものだ。さすがに同じような労働内容がずっと続く箇所は退屈だが、季節工同志の会話や、作者の労働というものに対する考察など、興味深く読めた。
トヨタ社の労働者に対する待遇については、とやかく言う立場ではないが、「これだけ労働者を厳しく管理したからこそ利益1兆円の企業になった」とする経営的な見方と、「利益1兆円を出すために、労働者たちを搾取している」という非雇用側の見方の両方があると思う。
まあ端的に言って、労働争議や学生運動が華やかなりし頃に知られていたら、問題になりそうではある。だが、これは強制労働や懲罰労働ではないし、自由意志による出入りが許されているのだから、その点は割り引いて考えてなければならない。
それにしても、工期を務め終える(耐え切る)のが作者一人というのは驚きである。現在の工場は、オートメーション化によって労働環境が改善されていると信じたいが・・・
最後に、現在の日本ではこのような3K労働は減少してきているのは間違いない。しかし、それを肩代わりしている海外からの出稼ぎ労働者や、海外の現地工場勤務者たちの存在を忘れてはいけないだろう。彼らのお陰で、我々が安価にモノを買えるのが現実なのだから。
30年まえの僕たちへ
本書が左派系の思考によって書かれたかどうかは別としても、30年前の労働現場を若かりし鎌田青年の目を通して窺い知ることのできる最良の一冊です。
確かに青臭い左派思想もちらほら見られますが、しかし本書の本質はそんなところにある訳ではありません。当時の過酷であったろう労働環境を通して、一労働者の立場から発せられる邪なき怒りこそが読む者の心を打つのです。
それゆえに本書は今もなお読み継がれているのでしょう。
これを見て、損をしない方法を模索してください。
自動車絶望工場―ある季節工の手記
鎌田 慧

定価: ¥ 580
販売価格: ¥ 580
人気ランキング: 35335位
おすすめ度:

発売日: 1983-09
発売元: 講談社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送
経常利益一兆円会社の生産現場の厳しさこれはある大手自動車メーカーへジャーナリストが季節工として勤務した体験を描いた本です。一日8時間労働で、昼休み以外は全く休憩時間がなく、トイレ休憩もないとは、驚かされた。それに引き替え、同じ自動車系ながら、喫煙したり喫茶できる部屋が各階に用意されている我が社はまるで天国だと思った。
この本が出版されたのは1972年(昭和47年)の話だが、自動車工場勤務が過酷なのは現在でも変わっておらず、自動車関係の仕事できつくないのは研究・開発の仕事だけかなと思う。
驚かされたのが、五百万時間安全運動を達成するため、労働災害はなかったことにしようという社風であった。働いて怪我した本人が労働基準監督署に訴えても、会社が同じ職場で働いていた同僚たちに圧力をかけて口裏を合わせ、会社ぐるみで労災を認めまいとする動きには身震いを覚えた。
私は静岡新聞を読んでいるが、時々、この本の自動車会社の季節工求人広告が載る。日本にはたくさんの自動車会社があるのに、なぜ、いつも同じ会社なのかと疑問に思っていたが、会社にとって季節工は使い捨ての労働力でしかなく、だからこそ、日本で初の経常利益一兆円を達成したのだと納得がいった。
色々と考えさせられる傑作ルポまず、単純に読み物として面白かったと言っておきたい。
作者の堅実かつ実直な文体は、意見や思想を越えて普遍性のある、実にルポタージュらしいものだ。さすがに同じような労働内容がずっと続く箇所は退屈だが、季節工同志の会話や、作者の労働というものに対する考察など、興味深く読めた。
トヨタ社の労働者に対する待遇については、とやかく言う立場ではないが、「これだけ労働者を厳しく管理したからこそ利益1兆円の企業になった」とする経営的な見方と、「利益1兆円を出すために、労働者たちを搾取している」という非雇用側の見方の両方があると思う。
まあ端的に言って、労働争議や学生運動が華やかなりし頃に知られていたら、問題になりそうではある。だが、これは強制労働や懲罰労働ではないし、自由意志による出入りが許されているのだから、その点は割り引いて考えてなければならない。
それにしても、工期を務め終える(耐え切る)のが作者一人というのは驚きである。現在の工場は、オートメーション化によって労働環境が改善されていると信じたいが・・・
最後に、現在の日本ではこのような3K労働は減少してきているのは間違いない。しかし、それを肩代わりしている海外からの出稼ぎ労働者や、海外の現地工場勤務者たちの存在を忘れてはいけないだろう。彼らのお陰で、我々が安価にモノを買えるのが現実なのだから。
30年まえの僕たちへ本書が左派系の思考によって書かれたかどうかは別としても、30年前の労働現場を若かりし鎌田青年の目を通して窺い知ることのできる最良の一冊です。
確かに青臭い左派思想もちらほら見られますが、しかし本書の本質はそんなところにある訳ではありません。当時の過酷であったろう労働環境を通して、一労働者の立場から発せられる邪なき怒りこそが読む者の心を打つのです。
それゆえに本書は今もなお読み継がれているのでしょう。